文部科学時報の記事になりました。
文部科学時報 平成19年3月号 No.1573
民間主導で運動を展開 いい朝みやぎの発足
早寝・早起き・朝ごはん実行委員会in宮城
「はやね・はやおき・あさごはん」は平成17年11月から全国に先駆けて宮城県がはじめた運動です。
宮城県教育委員会は岩手県、和歌山県、福岡県と共同で平成16年度から小・中学生の学習状況調査を実施しています。その中で宮城県の児童生徒の学力水準は他の3県と比較して低位にとどまっていることが、学都仙台を擁する県として深刻な課題となりました。また現役大学進学達成率や就職決定率も全国水準よりかなり低いことから、その背景について教育関係者の間で大きな論議を呼びました。
その結果、子どもの睡眠や食生活などの生活習慣の乱れが健康の維持に悪影響を及ぼすだけではなく、生きるための基礎となる体力の低下、気力や意欲の減退、集中力の欠如などの学習面でも大きな影響を及ぼしているのではないか――との見方が関係者の多数意見を占めました。
そうした分析をふまえて、県は平成17年度に新たに制定された「みやぎ教育の日を定める条例」で11月1日がみやぎ教育の日と定めたことを契機として、知(学力)・徳(心)・体(健康)の調和のとれた元気な児童生徒を育成していくために「はやね・はやおき・あさごはん」といった基本的な生活習慣の定着を推奨することを広く県民に呼びかけていくことになったのです。
文部科学省や宮城県などの呼びかけに応えるかたちで、平成18年10月には、住民、関係団体、民間企業などを結集して「早寝・早起き・朝ごはん実行委員会in宮城」(略称:いい朝みやぎ)ができました。いい朝みやぎでは「朝寝坊、朝食抜きといった状況が学力だけでなく非行の一因にもなっている」との指摘がなされ、さらに平成17年7月に施行された食育基本法に基づく実践活動としても運動の社会的重要性を確認し、子どもだけでなく私たち大人一人ひとりが自らの問題として、できるだけ草の根のレベルから子どもたちの主体的な参加を促す展開を重視することにしました。こうした視点から、いい朝みやぎの事務局もプロサッカーチーム、J2リーグのベガルタ仙台(宮城県、仙台市も株主)に置き、県民に親しまれる運動を心がけることにしています。
昨年11月3日には、仙台市の国際センターを会場に文部科学省といい朝みやぎが主催の「子どもの生活リズム向上全国フォーラム―はやね・はやおき・あさごはん運動のすすめin宮城―」が開催されました。
19年度から活動を本格化させる予定のいい朝みやぎのプレイベントとして、フォーラム当日、朝の活動を仙台市内二か所で行い、ベガルタ仙台のホームであるユアテックスタジアム周辺では、ベガルタ仙台の選手たちが朝の清掃活動に参加しました。国際センター内のいい朝みやぎブースでは、ベガルタ仙台選手の朝ごはんの写真をパネルで展示しました。さらにベガルタ仙台の市民後援会が以前から取り組んでいる「べがる田」という田んぼで作った有機米を来場者へ配り、ご飯のおいしさも再確認していただきました。
いい朝みやぎでは、活動をPRしたチラシやシールにベガルタ仙台のマスコットキャラクター「ベガッ太」を使用しています。学校の食育指導の現場から、児童や家庭へぜひ配布したいとの要望も数多く寄せられています。
宮城県も昨年11月には「はやね・はやおき・あさごはん」の歌と体操をつくりました。そして、はやね・はやおき・あさごはん推奨運動のホームページhttp://www.pref.miyagi.jp/kyou-soumu/にも掲載し、音楽ファイルと振り付けも映像公開して、普及に努めています。宮城県庁内の電話の保留音にも、この「はやね・はやおき・あさごはん」の歌を使い始めており、知事を先頭に運動の浸透を図っています。
こうした県の取組と連携して、いい朝みやぎでは運動の裾野をさらに広げるため、国連の提唱で宮城県でも活発に進められている「持続可能な開発のための教育(ESD)」運動とも今年からタイアップし、地域の食材を朝食にという視点から市町村や大学などとの連携も図っていくことにしています。また、朝の清掃活動だけでなく、学校等のトイレ掃除なども進め、児童生徒の自立心、社会性を高めることも目指していきたいと思っています。さまざまな世代が楽しく、自然に運動に参加することで、地域で衰えているコミュニティー力の活性化や家庭の教育力の向上にもつながればと願っています。
(株式会社東北ハンドレッド(ベガルタ仙台)事業部リーダー 早寝・早起き・朝ごはん実行委員会in宮城事務局長 齋藤美和子)





